4年後。




あぁ…。

海斗らしいな、と思った。

知ってた?

今日一度も目が合わなかった事。

どこか寂しげで…、さよならの準備をしているような気がしたんだ。

行き違う騒がしい大人の足音や一目なんて、気にも止めずに泣いちゃったな。

ねぇ、もう涙を拭ってくれる優しい手も、笑いかけてくれる笑顔も、『沙良』って愛しそうに呼んでくれる声も…、全て全て望んじゃいけないんだね…。




< 16 / 35 >

この作品をシェア

pagetop