4年後。
海斗とお別れの日もこのカフェへ寄ったね。
あの日はそう、コーヒーを頼んだっけ。
普段頼む事なんて一度もないのに、明日から大人になるんだ、なんて意味を込めて。
「おいおい無理すんなよ」
そう言って頭を撫でてくれたよね。
えへへ、なんて笑って見せたけど涙を堪えるの大変だったんだよ。
気づいてたんでしょ?
泣きそうだった事。
だから、悔しそうに撫でてくれた手を引っ込めたんだよね。
あの時海斗はどんな気持ちだった?
あたしはね、もうすぐ海斗とお別れだって思うとすごく怖かったよ…。
この時間が永遠に続けば良いのに、時間なんて止まれば良いのにって思ってたよ。