4年後。




「お待たせいたしました。ごゆっくりどうぞ」


一瞬営業スマイルを見せマニュアル通りの言葉を残し、慌ただしそうに次の注文を取りに行った。

あの時は苦くて飲めなかったコーヒーをあえて頼んでみた。

コーヒーの泡に海斗を浮かべ目を閉じる。




「本当はカフェラテとか飲みたかったんだろー。お子様佐良~」




ほら、とシロップを渡してくれた。




「そんな事ないしっ!あたしだってコーヒー位飲めるもん!」



あの日に交わした言葉がこだまする。




< 9 / 35 >

この作品をシェア

pagetop