4年後。
「お待たせいたしました。ごゆっくりどうぞ」
一瞬営業スマイルを見せマニュアル通りの言葉を残し、慌ただしそうに次の注文を取りに行った。
あの時は苦くて飲めなかったコーヒーをあえて頼んでみた。
コーヒーの泡に海斗を浮かべ目を閉じる。
「本当はカフェラテとか飲みたかったんだろー。お子様佐良~」
ほら、とシロップを渡してくれた。
「そんな事ないしっ!あたしだってコーヒー位飲めるもん!」
あの日に交わした言葉がこだまする。