死ぬほどお前が好き


二人を見ていて、俺はふと思った。



「何や佐藤、俺といる時より楽しそう…」



だが、よく考えたら、何一つ不思議な
点はない。だってそうじゃないか
二人は保育園からの親友だ。
つい先月転校してきた俺より、話すのは
楽しいに決まっている。


急に、休み時間に藤村に言われ掛けた
ことを思い出した。


『お前は気付いてねえかもしれねえが、クラスの奴らはみんなー…』




みんな、何や?


あぁ、まあ少し頭を捻れば直ぐわかる
捻らなくてもわかる。



「みんな、嫌いなんやなー」



自分の嫌われる理由はわかっている。

直しようがないキツい関西弁
転校してきたときから金髪
ピアスに指定外のセーター。


嫌われるものが沢山詰まっている。


「んー…」


細かい事を考えるのは嫌いだったから
これ以上考えるのはやめた。



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