俺様男は、忠犬〇〇公!?
これだけ言っとかないと、気が済まな…
「ふ…ははは!!」
い…?
「王子?」
突然、笑い出した橘。
「な…何笑ってんのよ!?」
馬鹿にしてんの!?
「ちょっと来いよ」
ぐいっと腕を引っ張られ、どこかに連れて行かれそうになる。
「王子!!どこに行くのよ!?」
置いていきぼりにされた女の子の声が、後ろから聞こえる。
けど、そんなことはお構いなし。
「橘!?」
「うっせ。黙って付いて来い」
「は!?」
「だから、黙れって」
勢いよく、振り返った橘。
「んん…!」
その唇が、菜摘の唇を塞いだ。
「キスされたくなかったら、黙ってろ」
「…っ」
久しぶりのキス。
今までだったら、イライラが先に来るはずなのにー…
ドキドキしている。