KAGAMI


先輩に汚されたアタシの唇を想太くんが“消毒”していく。

「はい終わり、お嬢様。」

“消毒”が終わって想太くんが言った。


「本当は想太くんが我慢できなかったんじゃないの?」


想太くんに抱き締められて、密着したままの身体でアタシは下を向いて言った。


ダメって分かってるのに…



アタシに幸せになる権利は無い。

どんなに苦しむような恋愛でも、ハッピーエンドになれない恋でも。

その中に幸せや喜びを感じてしまうのなら、たとえ結末がどうでも許されない。


アタシが笑って生きてる事を、許せないでしょう?



なのに、自分の中に産まれてしまった矛盾に戸惑いつつも、願ってしまう。




アタシを愛して、求めて




ダメとかイケナイとかじゃないのに。

そんな次元の低い話じゃ終われないのに。





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