KAGAMI
「何言ってんだよ、早く着替えておいで。制服がシワになったらアイロンは自分でしろよ?」
そう言って想太くんは書斎に戻ってった。
アタシもしぶしぶ自室に戻って部屋着に着替える。
さっきまで触れてた唇が熱い。
まだ熱を持った震える唇から零れた言葉。
「死にたい」
下着姿のまま、全身鏡に背を向けて立って後ろを振り向いた。
背中の真ん中から腰にかけて無残に残る傷。
夢の様な一瞬の出来事が、頭に流れた。
傷を優しく撫でてうずくまって、耳を塞ぐ。
聞きたくない声が、フラッシュバックする。
「あんたなんか…!」
「アタシだって…!」
うるさいうるさいうるさい!!!