KAGAMI
第五章
時間を巻き戻せたら、と何度思った事か分からない。
守れなかった…。
あんなに偉そうな事をたくさん言ったくせに。
あれだけ断られた理由が、分かったんだ。
きっと麻子さんは、俺の事が手にとるように分かっていたんだろう?
ごめん。
時間を戻せたとしても、どうすれば良かったのかなんて分からないのに…
乗り越える、なんて出来ないんだ。
帰ってきて欲しいと思ってる。
今度は失敗しないから、
全てのマイナスを俺が背負うから、
帰ってきて…
俺はあの頃のままじゃないけど。