KAGAMI
「ああ…あ、……」
いやだいやだ、いやっ!!!!
「いやあああああ!!!」
アタシは必死になって耳を塞ぐ。
聞きたくない、聞きたくない。
やめて…
もうこれ以上思い出させないで…
「莉麻!」
ドタドタと足音が聞こえたと思ったら、声が早いかドアが開くのが早いかわからないくらいのスピードで想太くんが部屋に飛び込んできた。
そのままさっきとは正反対に、強くギュッとアタシを抱き締めてくれた。
「莉麻、莉麻。大丈夫、聞いて」
想太くんはアタシの頭を撫でながら、自分の胸にアタシの頭を押し付けた。
ドクン、ドクン、と想太くんの心臓の音が聞こえた。
「傷…痛い、痛い」