KAGAMI


「ああ…あ、……」


いやだいやだ、いやっ!!!!


「いやあああああ!!!」



アタシは必死になって耳を塞ぐ。
聞きたくない、聞きたくない。

やめて…


もうこれ以上思い出させないで…



「莉麻!」


ドタドタと足音が聞こえたと思ったら、声が早いかドアが開くのが早いかわからないくらいのスピードで想太くんが部屋に飛び込んできた。


そのままさっきとは正反対に、強くギュッとアタシを抱き締めてくれた。



「莉麻、莉麻。大丈夫、聞いて」


想太くんはアタシの頭を撫でながら、自分の胸にアタシの頭を押し付けた。



ドクン、ドクン、と想太くんの心臓の音が聞こえた。

「傷…痛い、痛い」




< 14 / 276 >

この作品をシェア

pagetop