KAGAMI


もっと…、

「ありえない。」


想太くんは、アタシがくっつけていた頭を離してアタシを見つめた。

もう悩んだりしない。
想太くんのこの目に映っているのは、アタシだ。

間違いなく想太くんは、アタシを見てくれている。


「みんな、莉麻の事が大好きだよ。」


その上、このセリフ。

ずるいよ、想太くん…。


見つめられてこんな事言われたら、泣きたくなってしまう。


「誰も莉麻を責めたりしない。」



アタシがいちばん気にしていた事。

思い出した事を知ったら…、
思い出したくせに、笑って生活していた事を知ったら…、
きっとアタシは責められる。

お母さんの好きな人を奪った。

自らのお母さんから、何もかも奪った。って



「だってみんな莉麻が大好きなんだから。」



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