KAGAMI


いっそのこと、アタシのせいにしてくれれば
アタシは汚いアタシのままで居られたのに…


全うしたいなんて


「なぜ?」


想太くんはアタシの頭をまた自分の腕の中に収めた。

ドクンドクンって想太くんの生きてる音が聞こえる。
服の上からなんかじゃ伝わらない、小さな音も

それがなんて落ち着くんだろう。


「莉麻は充分傷ついたろ?充分自分を責め続けたろ?」


まだ、足りないよ。

アタシはこれからの時間を全部、罪で埋めて生きていくくらいじゃないと足りないでしょう?


「こんなに小さい身体の中に、一体いくつの後悔を隠してきたの?」


後悔の数なんて、数えきれない。
だってアタシの最大のミスは、お母さんを追い詰めた事じゃなくて…




産まれてきた事だから



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