KAGAMI


でも、知らない事が1つだけ。


想太くんはなぜ、自分を責めているの?



それに応えるように、想太くんは少し間をおいてから続けた。

「俺は、約束すら守れなかった。」


それはきっと、アタシの事?
お母さんと、他に何を約束したの?


「莉麻を好きになった事を後悔してるわけじゃない。」


アタシが、想太くんを悩ませる原因なの?
やっぱりアタシは、迷惑をかける事しかできないの?


「でも、莉麻は俺のところに居る事を後悔するかもしれない」


早く…、
早く言って。
焦らさないで。

なんて遮ったら、我儘だって思われるかな?


そんな隙を与えてもくれずに、想太くんは言う。


「俺は、莉麻を守れるかな?」


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