KAGAMI
「麻子さんが、言ったみたいだった…」
また…
アタシはどうやら馬鹿みたい。
嫉妬でそうにかなりそう。
アタシの方が、想太くんの事好きな筈なのに。
誰にも負けないはずなのに。
アタシには“これ”しか胸を張れる事がない…
それで充分だと思ってたのに。
「娘だもん」
アタシは、精一杯に笑って魅せた。
笑いたくないのに笑うのは、これが初めて。
ばれてないと思ってた。
でもそれは間違いだった。
想太くんは、アタシの作り笑いを見た途端アタシを抱き締めた。
「笑うな!ごめん…!ごめん」
そして何度も繰り返す。