KAGAMI
「守れなかった」と嘆く目の前に居る彼を、守れなかった。
浮かれていた自分を責め、約束を果たす事も出来ず自信を失った想太くん。
心中しようとした母と同じ人を愛して、現実に戸惑ってるアタシ。
「はい。」
アタシは静かに頷く。
想太くんは、これ以上追い詰めない。
アタシが支えていく。
一回失敗したら、もう大丈夫だよね?
誰よりも何よりも、大切にしていくから…。
自分を置いて、貴方に尽くして生きていく。
だから、飽いたり要らなくなったら、言ってね。
すぐに…
「ま、莉麻は俺の事が大好きだもんな。」
消えそうなさっきの声とは違う、力が戻った声で想太くんは言った。
泣いたり強がったり、アタシ達は忙しいね?
「じゃあ、これは知ってる?」