KAGAMI


「………アタシ…、

想太くんの事、ちゃんと“好き”だよね?
ちゃんと合ってるよね?

記憶とかお母さんとか、そんなもの無くても想太くんの事が好きって言えるよね?



想太くんと居るとね、喉の奥がきゅーってなるの。
こうして想太くんとくっついてるとね、安心するのに心臓がうるさいの。
見詰められると、動けなくなって…。

想太くん以外、どうでもいい。


大好きって何回言っても足りない。
まだまだ、全然足りない。

でも、言う度に軽くなっちゃう“好き”ならもう言わない。

アタシの全部で“好き”って表したいけど、分かんない。


アタシが自分で焦らすのは、想太くんから求めて欲しいって思うから。
想太くんから、アタシを求めて欲しいの。

本当は、溶けちゃうくらい甘えたいけどやり方が分かんない。

こうやって涙を拭いてくれるなら、アタシはきっと毎日泣くと思う。


想太くんがアタシにしてくれる全部の事が、嬉しいよ。

アタシの事を好きって想ってくれてるなら、離さないで。
たくさん甘やかして、目を離さないで。

だけど、もう好きじゃなくなったらその時は『要らない』ってすぐに言ってね。
嘘は付かないでね。


アタシばっかり好きでごめんね。」


< 158 / 276 >

この作品をシェア

pagetop