KAGAMI
今いちばんドキドキしてるのは、想太くんだ。
その表情と早い心臓の音と、緊張で震えてる声がアタシに教えてくれる。
想太くんの事。
「大好き。」
フライングした。
その言葉を溢したのは、アタシだった。
思わず言ってしまうほど、想太くんが好きなんだ。
「…だめ、今のは反則だ。」
想太くんは赤かった顔を、さらに赤くした。
これは、お酒が入ってるせいじゃないよね?
「俺は莉麻が想ってるより、莉麻が好き」
ダメだよ、想太くん。
今、そんな顔してるか分かってるの?
そっちの方が反則だよ。
もっともっと言いたくなる。
触れたいって思ってしまう。
「だーかーらー、」
想太くんは、キャパオーバーなのか自棄になったのかいきなり大きめの声を出した。