KAGAMI
せっかく向き合っているのに、下をじっと見つめて俯いたままの想太くん。
もう、目は逸らさないの。
アタシはまっすぐ前を向いて、想太くんを見たまま。
「はぁー…」
大きく息を吐いて、アタシの顔に目線を戻した後。
いつの間にか首から離れていた手を、アタシの顔に添えた。
触れるか触れないか、そのくらいそっと
「俺の彼女として、俺の隣に居てくれる?」
今度はアタシがキャパオーバー。
想太くんの彼女、なんて考えた事もなかった。
一緒に居れたらいいな、って思うだけで…
それ以上は望まなかったのに。
「やっぱ!断られるの想像したら彼女なんて位置づけ要らねー。」
え…?
想太くんはどこまでアタシを惑わせる気なんだろう?
アタシは想太くんの傍に居れるなら何でも良いんだけど。