KAGAMI
第六章
初めて寝る想太くんのベットで、初めての朝を迎えた。
慣れない景色と真っ暗な部屋。
その光景に戸惑って一瞬で覚醒された脳が、昨日の出来事が夢じゃない事を知らせてくれた。
朝が苦手な想太くんの寝室は、遮光カーテンがしっかり締めてあって太陽の光を遮断してた。
寝る時は想太くんの方を向いて寝てたのに、いつの間にか想太くんに背を向けている事に気付いた。
後ろに気配を感じたから、寝返りを打つフリをして想太くんの方に向きなおした。
「……。」
アタシの心臓とは対照的な、規則正しい寝息。
寝ている想太くんの寝顔をじっと見る。
笑うと垂れ目になる可愛い顔も、挑発的で妖艶な目も、長いまつ毛に覆われて隠れている。
なんとも言えない優越感。
それと反対に、無防備な寝顔を見てる事に何故か罪悪感を感じた。
ほんと…、
「なんでこんなに好きなんだろ…」
思わず口から出てしまった、心の声。
発言者は自分のくせに、顔が熱くなっていくのが分かる。