KAGAMI
きゅーっと苦しくなる胸。
これが、好きって事なんだって想太くんが教えてくれた。
「りーおちゃん?タヌキ寝入りは良くないなー」
想太くんはアタシの頭の上で言った。
ビクっと跳ねる心臓とアタシの身体。
「寝込みを襲うなんて、やらしー」
もう寝たフリなんてできない、けど…
寝てるところにキスした後に、どんな顔をすればいーの?
「お、起きてたの…?」
アタシは想太くんの身体に張り付いてる顔をそのままに、目だけ想太くんに向けた。
「あぁ。『なんでこんなに好きなんだろ』辺りから」
「何それ、酷い!起きてたなら反応してよ!」
と、アタシは理不尽な怒りをぶつけた。
さっきまでの可愛い寝顔は何処にもなかった。
むしろ無防備なのは、アタシの方だ。
「あ?昨日まではあんなに素直で可愛かったのに」
想太くんはいじわるな笑顔を浮かべてアタシを見る。
顎を引いて、アタシを見る。