KAGAMI


「2回目だ」

と、先輩は笑った。

告白された時も、キスされたっけ。
あの時は、「ごめんなさい」ってちゃんと言えたのに。

なんでかな?
今は言えない。

言いたくない…



「ごめんな!食おう!マジで時間ねーよ!」


今までの空気を戻したのは、それを作った張本人。
先輩…



どうして、何とも思わないんだろう。
キスされたのに。

先輩にじゃない、
想太くんに。


先輩にされたのに、何とも思わなかった。
何も感じなかった。


ただ、ただ


   想太くん…



それだけ

アタシには、それだけ…

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