KAGAMI


キスの先、
どうなったのかは、自分でも分からない。

それはきっと、先輩が決める事。
先輩が決めた通りに、この先が決める。
その通りに、アタシは従う。

きっと、そう。



従順に従う自分が、居ないからなのかな?
アタシは、自分をしっかり持った先輩に……

従順に従う気がする…




持ったままの人気No.1のパンを食べて、もう一つ貰った。
その1つをアタシが食べ終える前に先輩は残りの3つを食べ終わった。

男の子だなぁ、と思った。

口の中の水分を奪うパンが、喉に詰まってむせかえる。


「ゆっくりでいいよ、慌てないで食べな?」

そう言う先輩の言葉だけじゃ、アタシの喉は落ち着かなかった。
さっき飲んだ小さなパックのお茶を、手に持ってがっかりした。
先ほどゴクゴク飲んだせいで、もう空になってしまった。

「はは、これ飲んで。」


先輩はまた笑いながら、自分のジュースをアタシに差し出してくれた。
それをありがたく受け取って、一口分だけ喉に流し込んだ。


< 240 / 276 >

この作品をシェア

pagetop