KAGAMI


「これで赤澤が毎日学校に来るな!そしたら毎日会えるのかぁ」

よっしゃ!ってガッツポーズを決めて歯を見せて笑う先輩。
それがとても可愛く見えた。


それで先輩は、着替えもあるから、とすぐに教室に戻っていった。


アタシも教室に戻った。
教室でアタシを待ってたユカリとミカがアタシを茶化した。

「なーにー?どうだったのよー?」

と2人は口をそろえて言う。


「別に何もないよ」
と軽くあしらっていると、先生が教室に入ってきた。
次の授業が、もう間もなく始まるって事。


「絶対聞きだすからぁ~」

と言ってユカリとミカは自分の席に戻っていった。


あと、2時間か…


長いなぁと思いつつ、黒板に書かれていく文字をそのままノートに写す。
チョークで黒板を叩く音。
それが心地よくて、お腹がいっぱいになったアタシは眠くなってきた。
締めきった窓から差し込む太陽は、ぽかぽかで気持ちが良い。


うとうとしていたら、先輩の声が聞こえた。


聞き間違いじゃない。
先輩の声。

これもなんとなくだけど、想太くんに似てる…


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