KAGAMI


ズキズキする頭を押さえたまま、目だけ先輩に向ける。
そしたら先輩も同じ格好をしてたから、

思わずまた笑ってしまった。

再度怒られて、授業に戻る。


チョークで黒板を叩く音は、もう気にならなくなった。


隣からしつこく差し込む太陽の陽は、今度は熱く感じてる。
それでも眠気は治まらなくて、アタシは机に突っ伏した。


眠い…
そういえば昨日は、あれから眠れなかったんだっけ…



いつのまにか、黒板をノートにコピーするという最低限の作業すら忘れて、眠ってしまった。


アタシが起きたのは50分後。
さっき叩かれた教科書で、また叩かれて目を覚ました。


教科書って結構痛い…
角だと余計に。


容赦しない先生だなぁ、なんて文句を浮かべながら次の授業の準備。

次で終わりだ、と考えてはっと外を見る。
先輩の姿はもう無かった。
っていうか、さっきとは対照的に人っ子一人居なくなってた。



もう戻っちゃったんだ。

そういえば…、
なんでアタシ、先輩の事ばっかり考えてるの?!

アタシが今考えるべき悩みは、想太くんと片平さんについてだというのに。


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