KAGAMI
第三章



休日なので、学校は休み。
めんどくさがり屋の想太くんが珍しく「買い物に行こう」なんて言うから、今日は朝から張りきって支度をした。


いつもより丁寧に化粧をして、髪の毛をくるくる巻いた。
大人っぽい(ていうか大人なんだけど)想太くんに合わせて、服も大人っぽいものを選んだ。


「おはよ、誕生日おめでとう」

支度を終えリビングに行くと、朝食の準備をしている想太くんがアタシに言った。

「おはよ、ありがとう」


そう返していつもより遅い朝食を食べてから、ここより少し栄えた町に向かった。



今日はアタシの18歳の誕生日。
アタシの計画では、もう想太くんの家を出て1人で暮らす年齢。


「今日は、何が欲しい?」


なんて楽しそうに話す想太くんを見てると、なんだかとても切なくなった。
毎日の生活に、想太くんが居なくなるなんて寂しい…



それでも、アタシは想太くんと一緒に居ちゃいけない。




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