KAGAMI
先ほど学校であった事を一部始終話した。
「先輩にね、告白されて!付き合ってくれないかって…」
想太くんは意味ありげに顔を緩めて、にやっと笑った。
「へぇ、それで?」
なんだか、官能的…
見慣れた切れ長な目は、黒縁のメガネで強調されて妖淫にアタシを捉えている。
「断ったよ?でもキスされたの。諦めないってさ」
アタシはフっと笑っって言った。
ここまでが、学校用に作ったアタシ。
周りに合わせて笑うのもめんどくさいけど、これ以上"異常"と思われて想太くんに迷惑をかけない為のアタシ。
「で?何が言いたいの?」
想太くんの目に映るアタシを見つめる。
「それだけ、だけど。ヤキモチ妬かないの?」
アタシはアタシより二回りも大きい想太くんを、上手眼づかいで見る。
すると想太くんはアタシの腕を引っ張って引き寄せた。
こうなるとは想像してなかったアタシの身体は、突然加えられた力によろめいて想太くんの身体の中に収まった。