KAGAMI
「妬いてほしいの?」
顔は見えないけど、絶対勝ち誇った顔をしてるに決まってる。
なんか納得はいかないけど、やっぱり折れるのは決まってアタシの方だ。
「妬かないの?」
でも、少しだけ意地を張って、目的を伸ばす。
アタシを焦らしているのは、想太くんじゃない、アタシ自身。
「そうじゃないだろ?言えよ?」
これで良い…
アタシだけが、好きならそれで良い。
もし想太くんがアタシを好きになったら、アタシは此処を出て行く覚悟があるの。
アタシは幸せになっちゃいけない。
「消毒、し…んっ」
想太くんの腕の中で下を向いて素直に従う。
言えって言ったのは想太くんなのに、それを許さないとでも言うかのように口を口で塞がれた。