KAGAMI

「あはは、そんな事もあったなぁ。」

なんて苦笑いしながら想太くんは言った。


本当に忘れてたのかな?
アタシは、想太くんと過ごした時間も出来事も、全て覚えてるのに…
忘れるなんて、あり得ないのに。


想太くんにとって、アタシの存在はどれくらいの大きさなんだろう…?



「だからタルト選んだの。」

アタシは常に想太くんの事を考えてるよ?
想太くんを中心に、アタシの世界は回ってるの。


「よく覚えてたなー!」


当たり前でしょう?

「だからタルトかー!」


もっと知ってるよ?
アタシの知ってる想太くんは、そんな些細な事たった1つだけじゃないんだから。



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