お嬢様の秘密
「「「行ってらっしゃいませ、お嬢様」」」
メイドさんたちが一斉に頭を下げる
はぁ……心のなかでため息をつきながらニコッと微笑みをはりつけた。
「行ってきます、今日は友達の家に泊まるから」
「「「かしこまりました」」」
毎度のことながら…メイドさんたちには驚かされるわ…
全員1人の狂いもなく綺麗なお辞儀
練習してるのかな…
なんて呑気なことを考えていると
「麻百合!」
「あ、お兄ちゃん…」
「なんだよ、もっと感謝しろよなー。せっかく車で送ってやるってのに」
「はいはい、ありがとうお兄ちゃん嬉しいなー」
「お前、棒読みかよ…よくそれで仕事勤まるな」
「それとこれとは違うの」
「ふーん」
なんて会話をしながらお兄ちゃんは車を走らせた。
あたし、この時間がなんか好きなんだよね
普通の兄妹みたいで…
一般庶民の、てことだからね
「ほら、着いたぞ」
「うん、ありがとうお兄ちゃん」
今度は自然と心がこもった。
「…あぁ//」
よしっ!!
今日も頑張ろう!!
自分に気合いを入れてあたしはビルの地下に足を踏み入れた
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