お嬢様の秘密



「「「行ってらっしゃいませ、お嬢様」」」




メイドさんたちが一斉に頭を下げる



はぁ……心のなかでため息をつきながらニコッと微笑みをはりつけた。




「行ってきます、今日は友達の家に泊まるから」



「「「かしこまりました」」」



毎度のことながら…メイドさんたちには驚かされるわ…


全員1人の狂いもなく綺麗なお辞儀



練習してるのかな…



なんて呑気なことを考えていると



「麻百合!」


「あ、お兄ちゃん…」


「なんだよ、もっと感謝しろよなー。せっかく車で送ってやるってのに」


「はいはい、ありがとうお兄ちゃん嬉しいなー」



「お前、棒読みかよ…よくそれで仕事勤まるな」



「それとこれとは違うの」

「ふーん」



なんて会話をしながらお兄ちゃんは車を走らせた。



あたし、この時間がなんか好きなんだよね



普通の兄妹みたいで…


一般庶民の、てことだからね



「ほら、着いたぞ」


「うん、ありがとうお兄ちゃん」



今度は自然と心がこもった。


「…あぁ//」




よしっ!!


今日も頑張ろう!!



自分に気合いを入れてあたしはビルの地下に足を踏み入れた







< 6 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop