東日本大震災・宮城より
並び始めてすぐ、もたもたと大粒の雪が降って来ました。


それに加えて風もあり、傘を差しても濡れてしまいます。


しかも、すぐ後ろに並んだ年配の女性が「傘を持っていない」と言うので半分入れていた為、尚の事濡れてしまいました。


前後の方達と、「何もこんな時に雪にならなくてもねぇ」と話します。


約1時間経過して、列が半分動いたか動かないか……と言った感じです。


寒さと並ぶ事が苦手な母が「大した物も買えないだろうから、帰った方がいいんじゃないか?」と言い始めました。


でも、強く『帰ろう』とは言わなかったので、そのまま並び続けました。


そのうち何人か、吹雪の中で並ぶのに堪えられなくなって、帰って行きました。


私が傘に入れていた女性も帰って行きました。


並んでいる時に聞いた話だと、その方の家は1階が浸水して、今は2階で生活している……との事でした。


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