東日本大震災・宮城より
レジ回りが心配で見ようと思ったけど真っ暗で見えず、入口付近にあるテナントの花屋さんで人の気配がしました。


「本当だったら、彼岸だから……」


店長に言われて、思い出しました。


顔見知りの花屋さんと目が合うと、お互い言葉は無いけど『無事で良かったねぇ』の気持ちで、手を振り合いました。





「何か手伝える事があれば、手伝いますけど……どうしますか?」


と店長に訊きましたが、首を横に振られました。


「上を撤去してからでないと、危なくて何も出来ないから、取りあえず大丈夫」


そう言われたので、自宅へ帰りました。


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