激愛パラドックス
マネージャーが何かを言いかけた時、足元にボールが転がってきた。
「ごめーん!蹴ってくんない?」
遠くから部員が叫んでいる。
「はーい!」
返事をしてボールを蹴ろうとすると、視界にスパイクが映った。
「制服でコート入るの禁止」
顔を上げるといつの間にか翔がいて、何故か睨まれてしまう。
そのまま翔がボールを蹴り上げて、部員に渡した。
「なんで?」
「パンツ見えても良いのかよ」
ため息交じりにそう言われて、私はスカートを押さえた。
しまった…。そういうことか……。
「わかったなら、次からはジャージで来いよ?」
…次?
キョトンとしている私に、翔は目を細めて笑うと私の頭に手を置いて覗き込んでこう言った。
「お前は俺の専属だよ」
ドキューーン!!!!!
…いつか、翔に胸キュンしすぎて死んじゃうかも……。