激愛パラドックス

「橋野さん達ってラブラブですね?うらやましいな」



一部始終を見られていたマネージャーさんに、恥ずかしくなりながら振り返った。



「いやっ、勝手にあんな事言われても無理に決まってるよね?」



「邪魔をするわけじゃないから良いと思いますよ?ギャラリーみたいに煩くするわけでもないし…」



「俺は邪魔だけどね」


背後から低い声が聞こえたかと思うと、颯爽と走り去っていく後ろ姿が目に入った。


…雅也の野郎。


「まっ、まぁ、何とかなると思いますよ?」


慌ててフォローするマネージャーさんに、私は「気にしないで」と笑って見せた。


「なれてるから、雅也にからかわれるのは」



中学時代から、ずっとだしね。

しかも何故か私にだけ…。



「あの、もしかして…友達なんですか?」



暗い表情のマネージャーさんが恐る恐る聞いてくる。



「そうだよ!中学からの腐れ縁」



雅也がまさか同じ高校に入るとは思わなかったもんなぁ…。


あんなに頭が良いのに…。



「そう…なんですか…」



< 102 / 118 >

この作品をシェア

pagetop