激愛パラドックス
「橋野さん達ってラブラブですね?うらやましいな」
一部始終を見られていたマネージャーさんに、恥ずかしくなりながら振り返った。
「いやっ、勝手にあんな事言われても無理に決まってるよね?」
「邪魔をするわけじゃないから良いと思いますよ?ギャラリーみたいに煩くするわけでもないし…」
「俺は邪魔だけどね」
背後から低い声が聞こえたかと思うと、颯爽と走り去っていく後ろ姿が目に入った。
…雅也の野郎。
「まっ、まぁ、何とかなると思いますよ?」
慌ててフォローするマネージャーさんに、私は「気にしないで」と笑って見せた。
「なれてるから、雅也にからかわれるのは」
中学時代から、ずっとだしね。
しかも何故か私にだけ…。
「あの、もしかして…友達なんですか?」
暗い表情のマネージャーさんが恐る恐る聞いてくる。
「そうだよ!中学からの腐れ縁」
雅也がまさか同じ高校に入るとは思わなかったもんなぁ…。
あんなに頭が良いのに…。
「そう…なんですか…」