激愛パラドックス
今日は、ユキと付き合ってから、初めて学校以外で会う日。



この前、スパイクを買いに行くと称してユキをデートに誘ったつもりだったけど、上手く伝わっていないみたいだった。


アイツにはどうやら直球でいかなきゃいけないようだ。


めんどくさい……。


だけど嫌じゃない、不思議な感覚。






ユキの家の近くの最寄り駅に着くと、自然と足取りが軽くなる。



早く会いたくてたまらない衝動。



全く、今までの俺はなんだったんだ?


ユキという一人の女に、自分がこんなにも動くヤツになるなんて、思いもしなかった。



見慣れた街並みに、ユキの家が近くだと知らされて更に速度が上がる。



「…あっ」



曲がり角を曲がったところで、こっちに向かってユキが歩いていた。



「おっ、おはようございます」



宣言通り、白のワンピースを着ていて、髪も上げてオシャレをしている。


「おはよ」


「頑張って早起きしたら、早く用意し終わったんで駅で待ってようと思ったんですけど…」



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