激愛パラドックス

「そっか、良かった。早く来て…」



駅前なんかで待たせてたら、ナンパされまくりだろっ!



コイツは自分がどれだけ目立ってるのか自覚していないから厄介なんだよ。



「?それより、今日の格好どうですか?」


ユキはニコっと笑って自慢気に手を腰に当てている。


「……ワンピースの丈長くね?」



引き擦ってしまいそうな程に長い丈を見て素直に言うとユキは頬を膨らませた。


「これはマキシ丈なんです!」



「…あっそ。頭は…なんというか、うこみたいだな」



「違いますよ!お団子ですっ!お団子っ」



ムキになるユキを笑うと、諦めたのかうつ向きながら隣に並んだ。



「ウソだよ、冗談」


そう言っても、ユキのご機嫌は治らない。


ヤバい…からかいすぎたか?




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