激愛パラドックス

「……今の人………」



「…はい?」



「今の人誰!?」



今度は私が好の肩を、倍速で揺らす。



「…ストップ!今の人知らないの!?」



肩から手を離して、黙って頷く。



「ありえないでしょ!今の人は三年の、羽柴翔センパイ!サッカー部で一番人気なんだよ?」



呆れ顔の好をスルーして、名前を心の中で唱えた。



ハシバカケル…



ハシバカケル…




何度も、何度も…。



忘れないように繰り返して…。








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