激愛パラドックス
全く、好ったら早とちり過ぎるよ…。
『アンタの趣味に付き合わされる翔センパイが可哀想だし、観てるとこ想像したくないわ。』
「おいっ!土曜ワイド劇場をバカにするな!!」
面白いんだから!
毎回繰り広げられる、お馴染みのシーンとか、予想した犯人が当たった時とか、めちゃくちゃ面白いんだからぁ!!!
『ハイハイ、まぁお泊まりじゃないなら気楽に行けば?』
うっわ!適当〜。
「好なんかに相談するんじゃなかった!」
そうだよ!どちらかというと私の方が恋愛ではセンパイじゃん!
『そうですか!じゃあそれなりに頑張ってね♪ブチッ』
一方的に通話を切られ、携帯をカバンにしまって前を向くと、棚越しに翔と目が合ってしまった。
「歯ブラシとか買っとけば?」
ドキーーン!!!!
「あっ、あの…」
まさか、今の会話聞かれてたとか?
「俺は、どっちでも良いけど?どうする?」
…き、聞かれてたんだ。
「それは、いつか、今度……」