激愛パラドックス
むくれた好みが、溜め息をついて口を開く。


「ユキも羽柴センパイのことカッコイイって思ったでしょっ!?皆羽柴センパイに憧れてるから情報が勝手に色々回ってくるんだよ!」



"勝手に"を強調する好に、更に笑いが止まらない。



でも、これ以上笑ったら本気で怒られるなぁ…なんて思った私は、笑いを堪えながら好と別れた。




羽柴センパイが有名なのは、今日初めて見てよく分かった。


あんな整ったキレイな顔で騒がない人なんて、きっといないと思う。


そんでもって人気のサッカーなんてやっているんだから、憧れてもおかしくない。




でも、凄く冷たい目だったなぁ…。




羽柴センパイと目が合った時の瞳を思い出して、何だか顔が熱くなった気がした。




…そういえば、あの声コンタクトを探してくれた人にどことなく似てるような気が……。


でも、あんな無感情な感じじゃなくて、もっと柔らかかったような……。


やっぱり違うかなぁと、自己完結をして定期を改札口に通した。





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