激愛パラドックス

「翔!今年の新入生豊作だな」


「…米みたいに言うなよ」



篤史は毎日の様に校門を通る1年生を教室の窓からチェックしている。もはや日課。


「お前もさ、モテんだからサッカーばっかやらずに、青春しようぜ!」


「……サッカーも青春だろ」

女なんて懲り懲りだ。


2年の時にまでは付き合ってた子はいるけど、皆自分から去っていった。



「良い男過ぎるのも大変だな。付き合っても女同士のライバル心で、彼女は気が抜けない。揚げ句の果てには、彼女がお前を信じきれなくなって別れを切り出すんだから」


「…なんでお前がんな事に詳しいんだよ…」


「だって、ファンクラブに入ってんだもん」





…はっ!?






「ファンクラブって何の?」



「翔の」



とぼけた顔で、篤史は俺に指を向ける。



「なんでそんなもん勝手に作ってんだよ!」



ありえない、気持ち悪い。


「んな怒んなよ。サポーターがいなきゃ、試合も盛り上がらないだろ?」



ファンクラブの会員をサポーターにすんのかよっ。



< 15 / 118 >

この作品をシェア

pagetop