激愛パラドックス
新入生の案内を終えると、人手が足りないということで、保護者の体育館への誘導も任されてしまった。



「…貸し2だな」


「お前な、高校生が見返り求めて行動すんなよ」


「噂で聞いたんだけど、俺を案内係に決めた理由、顔って本当?」


チラっと春やんを見ると、あからさまに動揺していた。


「おっと…もうすぐ体育館に戻らないと…」


「…春やん、騙すならちゃんと騙さないと、PKだったら間違いなくボール取られてるな」


「…むぅ」


黙ってしまった春やんから離れて、保護者を2階席に案内した。










「…ハァ。なんで俺がこんなことを…」


まぁ、今頃同じように案内係を任されてる篤史は、体育館で理事長やらPTAやらの長話しを聞いてんだろなぁ…。



それよりはマシか…。




保護者の誘導も終わって暇になった俺は体育館に戻ることをぜず、屋上に行こうと思って昇降口の前を通った。







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