激愛パラドックス
「お前らダッシュ20本な」
「うわっ!出たよ、翔のドSが!」
「最悪っすね。自分の不甲斐無さを“先輩”という権力でで人に当たるなんて」
「…つべこべ言わず早くやれっ!」
二人の背中を蹴りあげて、グラウンドに追いやると、校門近くにいた君にまた視線を向けた。
「ハァ、ハァ…。いっ、良い事考えた!」
不吉な言葉を叫んだ篤史がダッシュを終えて、雅也の腕を掴みながら戻り、俺の前に座りだした。
「…走った後直ぐに座ると痔になんぞ?」
「なんないよっ!良いから聞けって!雅也もっ」
逃げようとしていた雅也も無理矢理座らされて、仕方なく篤史の話に耳を傾ける事にした。
「早く言えよ?練習始めるんだから」
「痔になるって本当っすか?」
「二人とも煩い!これは内密に行わなきゃならないんだからねっ?」
だから何をだよ?
つーか決定されてるわけ?
すっげぇ嫌な予感………。