激愛パラドックス
渡り廊下で呼び出しをくらい、教室に戻ると好みが私の隣の席で頬杖をついて、座っていた。
「お疲れ!今日は遅かったね、しつこかった?」
「…まぁ」
溜め息混じりに返事をして、自分の席に座る。
「今回で、告白されるの3回目だね!うらやましいなぁ…」
「…私、もしかしたら恋しちゃったかも」
羽柴センパイを見てから、あの声と冷めた目を思い出すだけで、胸がキュッと締め付けられるぐらい苦しくなるんだ。
これって、やっぱり恋じゃない?
「マジで?相手はダレ?」
「…そっ、それは内緒」
「もしかして、篤史センパイ?」
「違う」
「じゃあ、翔センパイ?」
「…違う」
「そうかぁ、ユキは翔センパイが好きなのかぁ」
……えっ!?否定したのに何で分かっちゃうの?
「違うってば!」
「わかるよ、翔センパイの時だけ間があったし」
うぅ…。
「じゃあマネージャーの件引き受けて正解だったね♪少しでもセンパイに近づけるチャンスじゃん!」
「……好が盛り上がってどうすんの」