激愛パラドックス
「だってさぁ、どう接したら良いのか分からないんだもん」



恋する相手には、意外とツンデレな好。親友の私としては、中村君と早くくっついて欲しいところなんだけど…こればっかりはね…。




1階の食堂に入ると、自販機の前で薄いピンクのポロシャツを着ている男子生徒が立っていた。



うちの学校は、指定のカッターシャツ以外に、露出しない服だったら何を着て来ても良い事になっている。


ちなみに今日の私はブルーのカッターに、紺のネクタイ。

好はストライプのカッターに私とオソロのネクタイ。



あのポロシャツカッコイイなぁなんて思って足を進めると、好が私の腕を掴んだ。



「…何?」


「あれ、翔センパイだよ!」

好の言葉に胸が高鳴って、前を向くと、羽柴先輩が自販機から紙コップを取り出しているとこだった。



茶色に染まった髪を無造作にセットして、長めの前髪から伏し目がちな瞳が見えた。



…ヤバイっす、カッコイイっす…。



倒れそうな身体を好に預けると、「重いわっ」と言われて頭をチョップされた。



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