激愛パラドックス
すると、好の声に気付いた先輩が入口付近に居た私達に顔を向けた。


「…うっ…あ…と、こんにちは!」



って!喋った事もない人に向かって挨拶してどうすんのよ!私っ!



好も私の突然の挨拶にビックリしている様子。



絶対シカトされるって思っていたけれど、先輩は私に何故か今買ったばかりの紙コップを向けた。



「…炭酸飲める?」


「…へ!?」


「あっ!この子、炭酸水が大好きなんです!ねっ!?ねっ!?」


返事をしない代わりに、好が答え、強い眼力で私に同意を求めてきた。



血走ってますよ…。



「あっ、はい。大好きです…」



ついでに先輩の目も…なんちゃって(笑)



「じゃあ、あげる」



「…えっ?いらないんですか?」



とか言いつつ、ちゃっかり受け取ってしまった紙コップの中を覗くとコーラが入っていた。



「カルピス押したら、コーラが出てきやがった」


舌打ちをしながら財布を取り出す翔先輩に、自分の小銭入れを渡した。


「…私の使って下さい!」

「いや、良いよ」




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