激愛パラドックス
眉を潜めて断る羽柴センパイに怯んでしまいそうになったけれど、再度小銭入れを突き出すと溜め息をつきながら受け取ってくれた。
羽柴センパイは小銭入れを開けると、少し戸惑った顔でお金を出さずに閉まってしまった。
「やっぱり良い」
「えぇ?なんでですか?」
「…買えないから」
……はい?
「40円じゃ、ジュースは買えないから」
……………嘘!?
私は返された小銭入れを開けて中身を確認すると、先輩の言った通り40円しか入っていなかった。
隣に居た好は大爆笑で、センパイも口角を上げて馬鹿にしたように笑って……。
…こんなことなら、ちゃんと確認してこればよかった。
奢るはずだった好のジュースも羽柴センパイが奢ってくれて、食堂から出る間際、センパイに二人でお礼を言った。
「「ありがとうございました」」
「…別に良いよ」
「160円は必ず返すので…」
シュンとしてしまった私が恐縮しながら言うと、さっき馬鹿にして笑った時とは違う優しい笑顔を向けてこう言った。
「貧乏人にタカる気はねーよ」
羽柴センパイは小銭入れを開けると、少し戸惑った顔でお金を出さずに閉まってしまった。
「やっぱり良い」
「えぇ?なんでですか?」
「…買えないから」
……はい?
「40円じゃ、ジュースは買えないから」
……………嘘!?
私は返された小銭入れを開けて中身を確認すると、先輩の言った通り40円しか入っていなかった。
隣に居た好は大爆笑で、センパイも口角を上げて馬鹿にしたように笑って……。
…こんなことなら、ちゃんと確認してこればよかった。
奢るはずだった好のジュースも羽柴センパイが奢ってくれて、食堂から出る間際、センパイに二人でお礼を言った。
「「ありがとうございました」」
「…別に良いよ」
「160円は必ず返すので…」
シュンとしてしまった私が恐縮しながら言うと、さっき馬鹿にして笑った時とは違う優しい笑顔を向けてこう言った。
「貧乏人にタカる気はねーよ」