激愛パラドックス
羽柴センパイがベンチの上に置いていたタオルを取りに来たときに聞いてみた。
「内緒、またな。コンタクト落とすなよ?」
アヒル口にした唇に人差し指を当てて、そう優しく言うと、颯爽と公園から出て行ってしまう。
「ユキ姉、腹減った!帰ろうよ」
コッ、コンタクトって…………まさか………!!
センパイが入学式にコンタクト探してくれた人だったの!?
去り際に爆弾発言をして帰ってしまったセンパイを、姿が見えなくなるまで見つめていた。