激愛パラドックス
「翔先輩、なにボケっとしてんすか。恋愛にうつつ抜かしてる場合じゃないっすよ」
………前言撤回。
「お前だけ別メニューで、ダッシュ50本」
「はっ!?またですか?しかも、俺だけ?」
「早くしろー」
「出た!翔のドS振りがっ」
篤史が少し離れたところで笑っている。
「あっ、篤史先輩、準備運動サボってましたよ?」
「なっ!なんてこと言うんだよ〜!」
後ずさりをしながら、篤史が雅也を指差す。
「キャプテンがサボってどうすんだよ。篤史はダッシュ100本!」
「ウゲェ!翔のドS!悪魔!鬼!変態!」
…最後関係ねーし。
「そんなに篤史は走るのが好きなのか。じゃあ200本にするか?」
「すみません!ウソです!神様です!」
俺たちのやり取りを、周りの部員が笑いながら見ていた。