激愛パラドックス
ひとしきり笑ったあと、空き教室を出ることにした。
「…もう、センパイ笑わないで下さいよ?」
「わかったよ」
念を押されて、適当に返事をするとジロリと睨まれてしまう。
「本当かなぁ…」
文句を言いながらガラリと扉を開けたユキの向こうに、ちょうど階段を上ろうとしている雅也が目に入った。
「雅也!おはよう」
ユキが雅也に向かって声を掛ける。
「…なにしてんだよ、そんなとこで…あっ、おはようございます」
振り向いた雅也が部屋から出てきたユキに聞いた後に俺の姿に気づく。
「ちょっと話してたんだ」
パタパタと近寄っていくユキの後ろ姿を見て、扉を閉めると、一瞬、雅也の顔が緩んだ。
アイツ、他の女には無表情なくせに、ユキにはあんな風に笑ったりするんだな……。
「じゃあ、羽柴センパイ。また!」
「あぁ。雅也も後で」
振り返ったユキにそう告げると、雅也はペコリと頭を下げて二人で階段を上がっていった。
「…もう、センパイ笑わないで下さいよ?」
「わかったよ」
念を押されて、適当に返事をするとジロリと睨まれてしまう。
「本当かなぁ…」
文句を言いながらガラリと扉を開けたユキの向こうに、ちょうど階段を上ろうとしている雅也が目に入った。
「雅也!おはよう」
ユキが雅也に向かって声を掛ける。
「…なにしてんだよ、そんなとこで…あっ、おはようございます」
振り向いた雅也が部屋から出てきたユキに聞いた後に俺の姿に気づく。
「ちょっと話してたんだ」
パタパタと近寄っていくユキの後ろ姿を見て、扉を閉めると、一瞬、雅也の顔が緩んだ。
アイツ、他の女には無表情なくせに、ユキにはあんな風に笑ったりするんだな……。
「じゃあ、羽柴センパイ。また!」
「あぁ。雅也も後で」
振り返ったユキにそう告げると、雅也はペコリと頭を下げて二人で階段を上がっていった。