激愛パラドックス
「…ふっ、服?」


「そう、服」


「…プレゼントとか?」

「馬鹿かっ!此処は何処だか分かるか?」


センパイが指を差した教室は、『生徒指導室』…。


指導って、何の指導!?

「指導って、夜の指導…とか!?」


バシッ!


「イッターイ!!!」


紙袋が思いっきり私の頭に直撃した。


「…お前の頭はどんな思考回路してんだよ」


「違うんですか…?」


「どう考えても違うだろ?俺は今の今まで説教喰らってたんだよ。個人懇談で私服で来たからポロシャツ取り上げられて返してもらってたんだ」


「…なんだ、チェッ」


面白いネタを入手したと思ってたのに。


「おいおい…。つーか、お前こんなとこで何してんだ?」


「はい、春やんに借りてたお金を返した帰りで……あっ!!」


「なんだよ?」


私が急に声を上げたので、センパイは怪訝な顔を見せた。

「センパイにも借りてたお金を返そうと思って…」


「もう良いって…」


ガサゴソとカバンを探っていると、センパイが私の手を止めた瞬間、フワッとセンパイから爽やかな香りが漂ってきた。


しっ…心拍数が半端ないんですけど!


< 66 / 118 >

この作品をシェア

pagetop