激愛パラドックス
動きが静止した私を確認して、手をそっと退けた。
「貧乏人は黙って言う通りにしろ」
「………」
結局、私はセンパイにお金を返す事が出来なかった。
そう考えたら138円ごときに催促してきた春やんが、とても大人げなく思えてしまった。(←んな事言う奴には、もう貸してやらないぞ!by春やん)
「さてと、早く着替えて飯食おっと」
「あっ!!私も購買に行かなきゃだったんだ!」
「今から?もうなんも残ってなくね?」
携帯で時間を確認するセンパイ。
「…えぇ!?」
そんなぁ〜〜!!
泣きそうになっていると、センパイがドコかに電話をかけだした。
「もしもし…あぁ。今終わったとこ………いや、カバンからコンビニの袋持ってきて欲しいんだけど………うん、それ。ありがとな」
ピッ……。
「あっ…あの」
なんの電話をだったんだろう…。
「いいから、篤史が来るまで待ってて」
羽柴センパイはそう言うと、廊下の壁にもたれて私はどうしたら良いか分からず、向かい側の壁に体を預けた。