激愛パラドックス
あれ?センパイはどうするんだろ……。
「俺は篤史のもらうから良いよ」
「しゃ〜ないね!!俺の弁当分けてやるよ」
すっごく嬉しそうな篤史センパイが、羽柴センパイの肩に腕を回す。
「重い……」
二人のテンションの差が極端過ぎて可笑しくなる。
「フフッ。センパイ達って、すごく仲良しなんですね」
良いなぁ〜、うらやましい…。
「は?どこが?」
「翔〜、嫌がりすぎ!俺のこと好きなくせに」
「…キモい。ふざけてないで、もう行くぞ」
篤史センパイの腕からすり抜けたセンパイが、背を向けて歩き出す。
「ハハハッ!照れんなって。ユキちゃんまたね!」
手を振る篤史センパイに笑顔を向ける。
私も反対方向に歩き出して教室に戻っていった。