激愛パラドックス

あれ?センパイはどうするんだろ……。


「俺は篤史のもらうから良いよ」



「しゃ〜ないね!!俺の弁当分けてやるよ」


すっごく嬉しそうな篤史センパイが、羽柴センパイの肩に腕を回す。


「重い……」


二人のテンションの差が極端過ぎて可笑しくなる。


「フフッ。センパイ達って、すごく仲良しなんですね」


良いなぁ〜、うらやましい…。



「は?どこが?」


「翔〜、嫌がりすぎ!俺のこと好きなくせに」


「…キモい。ふざけてないで、もう行くぞ」


篤史センパイの腕からすり抜けたセンパイが、背を向けて歩き出す。


「ハハハッ!照れんなって。ユキちゃんまたね!」


手を振る篤史センパイに笑顔を向ける。


私も反対方向に歩き出して教室に戻っていった。








< 69 / 118 >

この作品をシェア

pagetop